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足立区北綾瀬の眼科、シオノアイクリニックです。
白内障手術を受ける際に必ず選択することになる「眼内レンズ(IOL)」。
眼内レンズには種類があり、大きく分けると多焦点眼内レンズと単焦点眼内レンズに分けられます。
多焦点眼内レンズの解説は多くありますが、単焦点眼内レンズの解説はあまりありません。
けれど、多くの方が選択しているのは単焦点眼内レンズです。
一番の理由は自己負担額が大きく変わるからなのですが、かといって単焦点レンズは多焦点眼内レンズの劣化版と言うわけではありません。
今回は白内障手術を受ける方で最も多く使用されている単焦点眼内レンズについて解説していきます。
■ 単焦点眼内レンズとは?
白内障手術では、濁った水晶体を取り除き、人工のレンズを目の中に挿入します。
その人工レンズのうち、
「ピントが1か所に合う設計」のレンズが単焦点眼内レンズです。
例えば:
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遠くにピントを合わせる
-
中間距離に合わせる
-
手元に合わせる
のいずれか 1点に焦点を設定します。
■ 単焦点眼内レンズのメリット
① 見え方がクリアで自然
構造がシンプルなため、
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コントラスト低下が少ない
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夜間のハロー・グレアが少ない
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見え方がシャープ
という特徴があります。
② 保険適用
日本では単焦点眼内レンズは保険適用です。
自己負担が比較的少なく、経済的負担が軽いのが大きなメリットです。
■ デメリット
① 基本的には眼鏡が必要になる
1か所にしかピントが合わないため、
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遠くに合わせた場合 → 手元は老眼鏡が必要
-
手元に合わせた場合 → 遠くは眼鏡が必要
となります。
「眼鏡なし生活」を完全に目指すレンズではありません。
■ 多焦点レンズとの違い
| 単焦点 | 多焦点 | |
|---|---|---|
| ピント | 1か所 | 複数 |
| 保険 | 適用 | 選定療養or自由診療 |
| 見え方 | クリア | ややコントラスト低下 |
| 夜間の光のにじみ | 少ない | 出ることがある |
■ 単焦点眼内レンズの種類による違い
単焦点レンズはいくつかの会社からでています。細かい違いはありますが、そこまで大きな違いはないように感じます。
ただし、近年は保険で使用できる進化型単焦点眼内レンズもでてきています。
代表的なのが
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TECNIS Eyhance
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HOYA Vivinex Impress
-
LENTIS Comfort
です。
それぞれ設計思想が少しずつ違います。
🔹 ① TECNIS Eyhance(アイハンス)
▶ 特徴
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中央部にわずかなパワー変化
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光を分配しない(非回折)
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遠方視力は通常単焦点と同等
▶ 強み
✔ コントラスト低下ほぼなし
✔ 夜間視機能安定
✔ 中間距離がやや楽
👉 「単焦点+少しだけ深度拡張」
🔹 ② HOYA Vivinex Impress
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Vivinex素材プラットフォーム
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独自の前方光学設計
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中間視を改善
▶ ポイント
✔ 見え方が自然
✔ 単焦点とほぼ同等のコントラスト
✔ 安定した遠方視
Eyhanceとコンセプトは近いですが、
光学曲線の作り方が異なります。
🔹 ③ LENTIS Comfort(レンティス)
▶ 特徴
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セグメント(区域)型光学設計
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+1.5D付加
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中間視が比較的強い
▶ 他との違い
✔ 中間視の伸びはやや大きい
✔ 近方も多少カバー
⚠ まれにハローを感じる人も
レンティスは
「単焦点寄りの低加入多焦点」 に近い立ち位置。
🧠 まとめ
現在の単焦点は
🔹 従来型単焦点
🔹 拡張型単焦点(Eyhance / Impress)
🔹 低加入セグメント型(LENTIS)
と色々種類があります。注意が必要なのは、従来の単焦点が進化型単焦点に劣るという事ではなく、あくまで特性が異なるという点です。
結局のところ眼内レンズの解説するとこの結論になってしまうのですが、手術の前にどういったレンズにするか、どのあたりにピントを合わせたいか、よく相談することが大事だと思います。
当院では必ず院長と相談した上で眼内レンズを選択しています。お気軽にご相談ください。





