
足立区北綾瀬の眼科、シオノアイクリニックです。今回は加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)について
視界の真ん中が見えにくくなる病気です
加齢黄斑変性は、物を見るときに一番大切な「黄斑(おうはん)」という部分が傷んでしまう病気です。黄斑は網膜の中心にあり、文字を読んだり、人の顔を認識したりと「細かくはっきり見る力」を担っています。ここに異常が出ると、視力の真ん中が歪んだり暗く見えたりするのです。
主な症状
視界の中心がぼやける、黒く欠ける
線が曲がって見える(例:直線が波打つように見える)
色の見え方が変わる
新聞を読もうとすると文字が欠けて見えたり、テレビの人物の顔が真ん中だけ判別しにくくなるのが典型的です。
なぜ起こるのか?
名前の通り「加齢」が大きな要因の一つです。
加齢によって網膜の代謝産物が黄斑にたまり、そこに新しい血管(新生血管)が無理やり伸びてきて出血やむくみを起こします。これが視力低下の原因になります。
また、以下のようなリスク因子も知られています。
喫煙
高血圧や動脈硬化
遺伝的な体質
2つのタイプ
滲出型(しんしゅつがた)
新生血管が伸びて出血やむくみを起こすタイプ。
急激に視力が落ちることがある。
萎縮型(いしゅくがた)
黄斑の組織が徐々に萎縮するタイプ。
ゆっくり進行するが根本的な治療は難しい。
治療方法
抗VEGF薬の硝子体注射:異常な血管の増殖を抑える注射。現在の主流。
光線力学療法(PDT):レーザーで異常血管を閉じる。
生活習慣の改善:禁煙、食事管理、サプリメントの活用は予防として重要です。
早期発見が大切
加齢黄斑変性は進行すると失明原因の上位に入る怖い病気ですが、早く気づけば治療で進行を抑えられることも多いです。
もし少しでも「中心が歪んで見える」と感じたら、早めに眼科を受診しましょう。
📌 まとめ
加齢黄斑変性は「見たいものの真ん中が見えにくくなる」病気です。
中高年の方に多く、特に喫煙や生活習慣が関係することもあります。早期に気づけば注射などで進行を抑えることができるので、「なんとなくおかしい」と思ったら放置せず眼科で検査を受けてください。