代表的な症状は「飛蚊症」と「光視症」

網膜剥離が起こると飛蚊症と光視症を自覚するようになります。飛蚊症とは、視界（目を動かしながら最大限に見える範囲）に浮遊物の影がついてまわるように感じる症状のことです。まるで蚊が飛んでいるかのように見える症状ですが、人によってはハエや水玉、糸くずに見える場合があります。

一方、光視症とは目に光が当たっているか否かにかかわらず、目の前にチカチカと光が点滅したり、稲妻のような光が一瞬、または数秒間走ったりする症状のことです。

網膜剥離の主な原因

網膜剥離の主な原因は、網膜裂孔（網膜の亀裂・穴）です。一般的に、網膜剥離と言えばこの網膜裂孔による「裂孔原性網膜剥離」を指します。網膜裂孔が起こるのは硝子体と網膜の癒着が強い場所です。

もともと硝子体は無色透明のゲル状の物質で、眼球内部を満たしているのですが、加齢とともにサラサラの液体に変化して少しずつ容量が減ってしまいます。そこに網膜が引き込まれて隙間ができ、裂孔原性の網膜剥離が起きてしまうのです。

裂孔原性網膜剥離は若い人も発症する

網膜裂孔の原因が老化にない場合は、交通事故やスポーツ中の衝突などで受けた頭部・目への物理的ショック、近視度の強さで変化する網膜の円孔（円形の穴）が原因です。近視の度合いが強い人は、正視の人よりも眼球に奥行きがあります。

これによって、網膜の面積が広くなり、萎縮して薄くなった部分に円孔ができて網膜裂孔が生じるのです。これが原因で起こる裂孔原性網膜剥離は、比較的20代の若い人に見られます。

別の病気に網膜剥離の原因があることも…

別の病気に原因がある非裂孔原性の網膜剥離もあります。非裂孔原性の網膜剥離は、網膜に亀裂・穴はありません。少しでも物の見え方に不安を覚える場合は、どうぞ眼科医にご相談ください。